2009年11月

2009年11月09日

1ヶ月更新を怠りまして・・・《今週の目標とか.09-032号》/1347日

気づけば1ヶ月ブログの更新をしておらず…

忙しさに忙殺されてしまって…と言う言い訳です。はい。

最近速読が更に進化しまして、文庫ぐらいだと1日の中で
「電車に乗っている時間+お昼のランチ時」ぐらいで読み終えてしまう。
頭に入っているのか?と言う事はさておき・・・。

最近読んだのだと山崎豊子さんの「不毛地帯」「沈まぬ太陽」を
それぞれ一気に読み終えて、圧巻

何で今までこれだけの名作を読まなかったのだろう…と。
本も人と同じで、“出会い"が重要なので、どれだけ名作でも大作でも
出会わない本とは一生出会わないものなのでしょうね・・・。

いずれにせよ山崎豊子さんの本を読むと、中々他の小説が軽薄に思えてしまって
ここまで内容や人物描写、背景の描写に深みが描けるものなのかと…
重圧でありかつどんどん引き込まれていくその文字の力にただ驚かされるばかりです。
実在の企業や人物を参考に記載されているのでその厚みが増すのかもしれません。
不毛地帯の主人公壱岐正伊藤忠の瀬島龍三元会長。シベリア抑留11年の歴史もそのままです。
Wikipedia見るとライバルの鮫島氏も実際の人物を元にされているらしい…。
(なるほど日商岩井だったのですね。。)
沈まぬ太陽は言わずとしれた日本航空。今も難題に耐えません。
労務問題は本当にこういう状態だったんですかね・・・?

いずれにせよ後味が究極的に悪いのは「沈まぬ太陽」。
如何せん非常に不幸だった大事故をモチーフに据えている事と、これでもか。と言うぐらいの陰湿な労務トラブルで読んでいて暗遁とした気持ちに..。

ただ、実際事故にあわれた方の実名や実際の言葉などが出てくると、涙がボロボロ出てくるし胸が熱くなる。人間こうした苦しい場面に出会うと感動や悲しさではなく、本能的に涙が出るのだと理解した。

主人公は恩地元。これも実在の人物がモチーフ。元日航労働組合委員長の小倉寛太郎氏。
本と同様に労働闘争後、10年海外僻地に飛ばされ、日航機事故後、日航再建にやってきた国見正之と言う作中の人物(これも実在の人物で、鐘紡元会長伊藤仁氏)の下で働くのも同じ。やっぱり作中同様、伊藤氏が退任されると又ケニアに飛ばされる所も同じ。。。
(その詳細や顛末は下記HPが一番分かりやすい 1999年駒場祭での当人講演

また2作品同時に読むと分かるのだが、不毛地帯の壱岐氏(瀬島龍三氏)は、沈まぬ太陽の中で龍崎一清と言う総理大臣参謀として出てくる。(名前は異なるが明らかに同一人物)。

実際に不毛地帯・壱岐氏のモデル瀬島龍三氏は伊藤忠退職後、中曽根康弘首相のブレーンとなっている事から上記作品の連携もそれに合致する。

ただし人物は凡そ壱岐氏と、瀬島氏で性格が異なるので、逆にいったいその間に何があったの??なんて事を思ったり。

いずれにせよ深い。