2006年03月07日

【火曜・ニュースの視点Vol8】/「ソフトバンクのトリプルプレイ」/(66日目)

(今週も"これだけ知っていれば大丈夫"というニュースを掲載します。)

今週一番の大きなビジネスニュースは何と言ってもソフトバンクによるボーダフォン日本法人買収の話し。2兆円規模の買収額に上ぼる可能性もあり日本企業同士の過去最大のM&A案件となりそうです。

しかし、そもそもどうしてソフトバンクはボーダフォンが欲しいのでしょうか??

(↓孫さんは本当にすごいですよね…。尊敬してやまない方の1人です。)
ソンさん









そのキーとなる言葉は"トリプルプレイ"です。野球の三十殺とは違います。 ダブルプレイは漢字で併殺です。やっちゃぁいけません。
ちなみに野球のトリプルプレイは1人でも出来ます。例えば満塁の場面で、バッターが打った球を三塁手が取って(1アウト)サードベースを踏み(ツーアウト)、セカンドに投げればスリーアウトで、1人トリプルプレイー完成です。ドカベンの岩城が得意です。ちなみにサンケイアトムス(現ヤクルト)という古い時代のプロ野球チームの戸部選手が1人トリプルプレイ通産10回で、未だ破られる事の無い大記録です。イナバウアーよりすごいです。当時戸部選手は怖いもの知らずでバッターの目の前に立つ作戦で、どんな球でもすぐ捕球してしまいます(想像するとかなり笑える。)、これを深刻に考えた当時の野球連盟は彼を内野立入り禁止とします。仕方なく戸部選手はレフトに移転となりました。

そんなーことはどうでもいい。はい。

ソフトバンクに関わるトリプルプレイとは、簡単に言えば"インターネット接続""放送""IP電話"の3サービスを1つの回線で提供するサービスの事で、昔で言えば
インターネットはYahooBB、放送はテレビ局、電話はNTTね。と言うようにキャリアが23つに分かれていたりして、ユーザーはあちこちお金を取られるし、統合された便利なサービスを受けたりする事が出来なかった訳です。

これに対して法律が改正され、それぞれの分野の会社が、他の分野に進出する事が可能になりまして、最近はこの"1回線で3サービス"を巡って熾烈な争いが繰り広げられている訳です。(⇒続きは追記で)

トリプルプレイの一番の牽引役は回線を持つ通信会社となります。最近NTT東日本がスマップを使ったFELETSのCMで、フランダースの犬やら、ゆーきーやコンコン等アニメやら音楽の配信サービスをPRしているのもこの為で、FLETSで電話もネットも放送も見れるという訳です。同じくぷららは、4thメディアを立上げVODサービスを開始しています。昨年末にスカパーとNTTが新会社「オプティキャスト・マーケティング」を立ち上げたのもNTTが放送網を持ちたかった事と、スカパーがIP電話を持ちたかった両方の目的が合致したせいです。

一方通信会社以外にも、テプコ光で電力会社が殴り込んできていますし、USENもGYAOでこのトリプルプレイを狙います。そしてソフトバンクもネット接続のYahooBB、固定電話の日本テレコムに加え、昨年度「TVバンク」をYahooで開始。これでトリプルプレイ完成です。

しかし、勝負はまだ続くのです。

つまり携帯電話網のトリプルプレイが残っています。

ワンセグ放送がスタートされる中で、同じく携帯電話上で電話・ネット接続・放送を実現するモバイルトリプルプレイは、地上と同じく激戦が予想されます。

しかし地上と異なり、携帯電話は規制も厳しくそもそも新規参入が難しい中で、既にNTTとKDDIの寡占状況となっています。
この分野でソフトバンクは新規参入権を昨年獲得しましたが、ここ数年で勝負が着くといわれているこの分野で、祐著な事は言ってられず、今回ボーダフォンを買収する事に踏み切った訳です。

Yahooと携帯が結びつく。そんなサービスって面白そうじゃないですか?一ユーザーとしてはとっても期待が募るM&Aです。

一方で、5日にアメリカではアメリカ最大の電話会社AT&Tが、通信のベルサウスを約7兆円!!!!で買収すると発表しました。AT&Tは既に携帯電話のシンギュラーを手に入れており正に地域網も携帯網も含めたトリプルプレイまっしぐらです。

ただ寡占が強すぎて相当反発が強いです。。。

こんな風にIT・通信の世界では融合化がとんでもない金額の買収劇の中でサービスの寡占化が進み始めています。
弱肉強食の世界で、生き残る会社はどこなのか?ソフトバンクの多額のM&Aの行方は?

とってもこの分野において目の離せない1年になりそうですね。

さて、そんな中でコネクティは何をどうしていけばいいのか?決して新聞の世界だと割り切っていてはいけません。マクロの視点で自分達のビジネスも常に検討しておく事が重要だと思っています。



(↓参考までに昔読んで感動した、孫さんの伝記本です。起業を志される方や是非一読)
「大企業からベンチャー転身者(転身希望者)向け書籍」


孫正義 起業の若き獅子

昔読んで、起業に燃えた、そんな1冊です。






yasuyukihattori at 11:10│Comments(1)TrackBack(0)clip!ベンチャー情報 

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この記事へのコメント

1. Posted by Home   2014年03月21日 09:09
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