2007年06月19日

◆出井さんの顧問退任に辺り《ニュースの視点.07-21号》/536日

今日の日経新聞でソニー株式会社、出井氏退任の記事が掲載されていました。

21日付けで特別顧問からも退任されて、今後アドバイザリーボードへの出席とそれから御自身で創設されたコンサルティング会社「クオンタムリープ」のお仕事に専念されるという事です。
(クオンタムリープは元アクセンチュア社長の森さんも取締役に入られているみたいですね。)

クオンタムリープは以前も紹介しましたが、その意味は非連続な量子の飛躍を意味する言葉で、暗にビジネスの非連続な成長を支援する事を、会社名に委ねられたという事です。

僕が出井さんを始めて見たのは1998年の入社式。出井さんが社長になられた1年目の年で、まだ大賀会長がいらしたタイミングでしたので、大賀さんのスピーチの後、出井さんがスピーチされたのを良く覚えています。
正直その頃の自分には話しが難しくて、全く理解出来なかったのですが…。

その後出井さんに関しては何回か取り組みや事業の説明の為に御時間を頂いて、ご説明に上った事がありまして、ブログのシステムを会社で密かに開発し、それを出井さんに説明しに行った事もそう言えばありました。(随分昔ですが…。)
その際に出井さんブログとか分かるのか・・・?という若干不安がありましたが、シックスアパートに超ご関心なタイミングでして、ミーティングも(ほぼ1対1だった気がしますが)結構盛り上がったような記憶があります。


出井さんに対する思いはその意味では結構自分の中では大きくて、やっぱりかっこいい社長(会長)だったし、出井さんがずっと言われ続けたソフトやネットワーク戦略も未だにVisionとして僕は正しいと思っている。だから既定路線ではありましたが、今回のある種"完全退陣"も少し寂しい気持ちで一杯です。


実際には、そのVisionを実現する為の手段は、何とも○○コミッティーと呼ばれる技術や標準化会議に委ねられる事が多く、会議を積み重ねて混乱が増してった。というのがあの頃の社内の雰囲気だったでしょうか・・・?

その辺りは、むしろ僕の同期で、ソニーを辞めて本を出版した宮崎琢磨の「技術空洞」の方に良く書かれているのかもしれませんが。(ちなみに技術が無いとは僕は全然思わなくて、むしろ未だ日本が生んだ技術王国の一つであると思って止みません。)

難しい話だからこそ、もっとユーザー視点で、顧客のValueUpをもっともっと考えるべきだったのかもしれません。そうすればipodではなくWalkManが世界を席捲していかもしれまんせんね。。

とは言えこうしたソニーを退職されても、なお次のフィールドで活躍される事ってすごいなと思う次第です。

一方当時ソニーがトロイカ体制として出井(CEO)−安藤(COO)−徳中(CFO)の3人体制だった時代がありまして、現在、安藤さん徳中さんは、それぞれエレキを離れられて、ソニーフィナンシャルホールディングス(ソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行らソニーの金融関係会社の持ち株会社)の会長、社長ををそれぞれされていらっしゃいます。

が、先週14日に発表があったように安藤会長は6月に取締役を退任される運びです。その意味では現役となるのは、社長を継続される徳中さんだけ。という事でしょうか・・?(安藤さんの代わりに中鉢さんがホールディングスの取締役に入られるみたいですね。。謎だなぁ。)


何にせよ中々創業者を越える経営者が最近内部から現れにくい?ソニーの経営状況。ただ、時代もビジネスも大きく変わった中で、ソニーという複雑な会社の舵取りをするのは1人の経営者の質ではなく、体制や組織という事もあるのでしょうか?
それでもカリスマ的社長が現れるのを期待してしまうこの頃。

米Yahooは昨日18日に、Semel CEOがGoogleへの遅れ等を理由に退陣が決定。とうとう共同創業者のJerry Yangが、CEOになり、会社を創業者精神で再度リードし直します。

ソニーは井深さん・盛田さんはもういらっしゃいませんが、この二人が健在だったら、どんな舵取りをするんだろう。そんな事を考えてみると、何か時代が変わっても変わらない本質を見抜ける突破口が見つかるのかもしれません。


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